30秒まとめ
- 協議離婚は最も早く費用も安いが、条件面で不利になることも
- 調停離婚は裁判所を介して話し合い、合意を目指す方法
- 裁判離婚は法定離婚事由が必要だが、判決で強制的に離婚できる
1離婚には3つの方法がある
日本の法律では、離婚の方法は大きく分けて「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3種類があります。それぞれ手続きの方法、かかる時間、費用が異なるため、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
| 項目 | 協議離婚 | 調停離婚 | 裁判離婚 |
|---|---|---|---|
| 概要 | 夫婦の話し合い | 裁判所での話し合い | 裁判官が判決を下す |
| 期間 | 最短1日〜 | 3ヶ月〜1年程度 | 1年〜2年以上 |
| 費用 | ほぼ無料 | 数千円〜 | 数万円〜+弁護士費用 |
| 割合 | 約87% | 約10% | 約2% |
| 弁護士 | 不要(推奨) | 不要(推奨) | ほぼ必須 |
2協議離婚|最も多く、最もシンプルな方法
協議離婚とは、夫婦の話し合いだけで離婚を成立させる方法です。日本の離婚の約87%がこの方法で行われています。
協議離婚の流れ
STEP 1
離婚条件について話し合う
慰謝料、財産分与、養育費、親権、面会交流など、離婚に関する条件を夫婦で話し合います。
STEP 2
離婚協議書を作成する
合意した内容を書面にまとめます。口約束は後のトラブルの元です。
STEP 3
公正証書にする(推奨)
離婚協議書を公証役場で公正証書にすると、養育費の未払い時に強制執行が可能になります。
STEP 4
離婚届を提出する
市区町村役場に離婚届を提出し、受理されれば離婚成立です。
協議離婚のメリット・デメリット
メリット
- 費用がほとんどかからない
- 短期間で離婚できる
- プライバシーが守られる(裁判所を通さない)
- 条件を自由に決められる
デメリット・注意点
- 相手が離婚に応じない場合は成立しない(協議が混迷し、延々と終わらない可能性がある)
- 条件面で不利な合意をしてしまうリスクがある
- 口約束だけでは後から「言った・言わない」のトラブルになる
- 公正証書を作らないと、養育費等の未払い時に強制執行できない
3調停離婚|第三者を交えた話し合い
調停離婚とは、家庭裁判所で調停委員を介して話し合いを行い、合意のうえで離婚を成立させる方法です。夫婦だけでは話し合いがまとまらない場合に利用します。
調停離婚の流れ
STEP 1
家庭裁判所に調停を申し立てる
相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。費用は収入印紙1,200円と郵便切手代のみです。
STEP 2
調停期日に出頭する
おおよそ月1回程度のペースで調停期日が設定され、調停委員を介して交互に話を聞かれます。相手と直接顔を合わせる必要はありません。
STEP 3
合意が成立 → 調停成立
条件に合意すれば調停成立。調停調書が作成され、確定判決と同じ効力を持ちます。
調停前置主義
日本の法律では、いきなり裁判を起こすことはできません。まず調停を経なければならないというルール(調停前置主義)があります。調停で合意できなかった場合に初めて、裁判(訴訟)を起こすことができます。
4裁判離婚|最後の手段
裁判離婚とは、裁判所の判決によって強制的に離婚を成立させる方法です。調停で合意できなかった場合に、離婚訴訟を提起します。
裁判離婚が認められる5つの条件(法定離婚事由)
裁判で離婚を認めてもらうには、民法770条1項に定められた「法定離婚事由」のいずれかに該当する必要があります。
法定離婚事由(民法770条1項)
- ①不貞行為:配偶者が浮気・不倫をした
- ②悪意の遺棄:正当な理由なく同居・扶助義務を怠った
- ③3年以上の生死不明:配偶者の生死が3年以上わからない
- ④強度の精神病:回復の見込みがない強度の精神病にかかった
- ⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由:DV、モラハラ、長期間の別居など
⑤の「婚姻を継続し難い重大な事由」は、DV、モラハラ、長期間の別居(概ね5年以上)、性格の不一致が深刻で修復不可能な場合などが該当します。
5よくある質問
調停を申し立てるのに弁護士は必要?
法的には弁護士なしでも調停を申し立てられます。ただし、弁護士がいると法的根拠に基づいた主張ができ、調停委員への説得力が増すため、有利に進められることが多いです。
また、調停委員からの圧力に対抗することができます。
裁判離婚になったら必ず法廷に立つ?
原則として本人尋問がありますが、弁護士が代理人として出廷するため、毎回出席する必要はありません。尋問時も弁護士が事前にリハーサルを行います。
離婚調停にかかる期間は?
一般的に3ヶ月~1年程度です。おおよそ月に1回程度のペースで調停が開かれます。ただし争点が多い場合はそれ以上の期間がかかることもあります。
6自分に合った離婚方法の選び方
どの方法で離婚を進めるべきかは、以下のポイントで判断できます。
離婚方法の選び方
- 相手も離婚に同意していて条件面も折り合える → 協議離婚
- 相手が離婚に応じない、または条件面で折り合えない → 調停離婚
- 調停でも合意できず、法定離婚事由がある → 裁判離婚
- DV・モラハラがあり直接話し合いが困難、財産関係が多額、複雑 → 弁護士に依頼して緻密に準備した上で交渉開始
7弁護士に依頼すべきケース
協議離婚であっても、以下のようなケースでは弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
- 相手と直接話し合うのが困難(DV・モラハラなど)
- 相手が多額の収入、資産を有している
- 慰謝料や財産分与の金額で揉めている
- 養育費の取り決めを確実にしたい
- 相手が離婚に応じない
- 不貞行為の証拠があり、有利に進めたい(不貞行為の証拠はないが、不貞している疑いが強い)
- 公正証書の作成をサポートしてほしい
弁護士に依頼することで、法的知識に基づいた適正な条件での離婚が実現しやすくなります。
8まとめ
離婚の方法は「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3種類があり、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。
この記事のまとめ
- 協議離婚(約87%):夫婦の話し合いで成立。最も早くて安い方法
- 調停離婚(約10%):裁判所で調停委員を介して話し合い
- 裁判離婚(約2%):裁判官の判決で離婚を成立させる最終手段
- 日本では調停前置主義があり、いきなり裁判はできない
- 裁判離婚には法定離婚事由が必要
- どの方法でも、条件面を書面にまとめることが重要
離婚の方法に迷ったら、まずは弁護士に相談することをおすすめします。ご状況に合わせて最適な進め方をアドバイスいたします。
参考リンク(一次情報)