30秒まとめ
- 養育費の金額は双方の年収と子どもの人数・年齢で決まる
- 養育費は公正証書にしておくと不払い時に強制執行が可能
1養育費とは?支払い義務と基本ルール
養育費とは、離婚後に子どもを育てるために必要な費用のことです。食費、衣服費、教育費、医療費など、子どもが自立するまでに必要なすべての費用が含まれます。
養育費は、子どもと一緒に暮らしていない親(非監護親)が、子どもと暮らしている親(監護親)に対して支払います。離婚しても親であることに変わりはなく、養育費の支払いは法律上の義務です。
養育費の基本ルール
- 養育費の支払いは親としての義務(民法877条)
- 原則として子どもが20歳になるまで。大学進学の場合は22歳まで取り決めるケースも
- 毎月定額で支払うのが一般的
- 離婚後でも養育費の請求は可能
2養育費の相場|子どもの人数・年齢別の目安
養育費の金額は、双方の収入と子どもの人数・年齢によって決まります。裁判所が公表している「養育費算定表」が基準として広く使われています。
養育費の相場一覧
| 子どもの人数・年齢 | 支払者年収400万円 受取者年収0円 |
支払者年収600万円 受取者年収100万円 |
|---|---|---|
| 子ども1人(0〜14歳) | 4〜6万円/月 | 6〜8万円/月 |
| 子ども1人(15歳以上) | 4〜6万円/月 | 8〜10万円/月 |
| 子ども2人(0〜14歳) | 6〜8万円/月 | 8〜12万円/月 |
| 子ども3人 | 6〜10万円/月 | 10〜14万円/月 |
※金額はあくまで目安です。正確な金額は裁判所の養育費算定表で確認できます。
3養育費算定表の見方と計算方法
養育費算定表は、裁判所のホームページで公開されています。以下の情報があれば、自分のケースの養育費の目安を調べることができます。
算定表に必要な情報
- 支払う側の年収(給与所得者か自営業者かで異なる)
- 受け取る側の年収
- 子どもの人数
- 子どもの年齢(0〜14歳 / 15歳以上で区分)
算定表の使い方
- 子どもの人数と年齢に合った表を選ぶ
- 縦軸から支払う側(義務者)の年収を探す
- 横軸から受け取る側(権利者)の年収を探す
- 交差する部分が養育費の目安
4養育費を取り決める方法
養育費の取り決めは、以下の方法で行います。
①協議(話し合い)
夫婦で話し合って金額・支払期間・支払方法を決めます。合意できたら必ず書面にまとめ、公正証書にすることをおすすめします。
②調停
話し合いでまとまらない場合は、家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てます。調停委員を介して話し合いを行います。
③審判
調停でも合意できない場合は、裁判官が養育費の金額を決定します(審判)。算定表を基準に決まることが多いです。
公正証書にしないリスク
養育費を口約束や私的な書面だけで取り決めた場合、相手が支払いを止めてもすぐに強制執行(給与差し押さえ等)ができません。改めて裁判を起こす必要があり、時間と費用がかかります。公正証書(強制執行認諾文言付き)にしておけば、未払い時にすぐ強制執行が可能です。
5よくある質問
養育費を払ってもらえなくなったらどうする?
調停調書や公正証書がある場合は、家庭裁判所に履行勧告を申し立てるか、強制執行(給与差押え等)を行うことができます。2020年の法改正で差押えがしやすくなりました。
再婚したら養育費はどうなる?
養育費の減額が認められる可能性が高いです。詳細は弁護士へご相談ください。
養育費の金額は後から変更できる?
はい、事情の変更(収入の増減、再婚、子どもの進学等)があれば、養育費の増額・減額を請求できます。話し合いで合意できない場合は家庭裁判所に調停を申し立てます。
6養育費が支払われなくなったら
厚生労働省の調査によると、養育費を継続して受け取っている母子世帯は約28%にすぎません。養育費の未払いは深刻な社会問題です。
未払いへの対処法
養育費未払いへの対処法
- 内容証明郵便で催促:まずは書面で支払いを求める
- 履行勧告:調停や審判で決まった養育費は、家庭裁判所から相手に支払いを勧告してもらえる
- 強制執行(給与差し押さえ):公正証書や調停調書がある場合、相手の給与を差し押さえることが可能
- 養育費請求調停:取り決めをしていなかった場合でも、改めて調停で請求できる
7養育費の増額・減額はできる?
一度決めた養育費でも、事情の変更があれば増額・減額を求めることが可能です。
増額が認められるケース
- 子どもの進学に伴い教育費が増加した
- 子どもが病気やケガで医療費が増加した
- 支払う側の収入が大幅に増えた
減額が認められるケース
- 支払う側が失業・病気で収入が大幅に減った
- 支払う側が再婚し、扶養家族が増えた
- 受け取る側の収入が大幅に増えた
8まとめ
この記事のまとめ
- 養育費は子どもの権利であり、親の義務
- 金額は裁判所の算定表を基準に、双方の収入・子どもの人数と年齢で決まる
- 取り決めは公正証書にすることが重要(強制執行のため)
- 未払いには給与差し押さえ等の法的手段がある
- 事情の変更があれば増額・減額の請求も可能
養育費は子どもの生活と将来を守るための大切なお金です。適正な金額の取り決めと確実な支払いの確保について、弁護士がサポートいたします。