30秒まとめ
- 逮捕後72時間以内に弁護士に連絡することが最優先
- 当番弁護士制度なら1回無料で弁護士が接見に来てくれる
- 早期の弁護活動が勾留阻止・不起訴・早期釈放につながる
1家族が逮捕されたら、まず落ち着いて
警察から「ご家族が逮捕されました」と連絡が来たとき、冷静でいられる人はほとんどいません。しかし、ここで慌てて間違った対応をしてしまうと、状況が悪化する可能性があります。
まずは深呼吸をして、以下のことを確認しましょう。
警察から確認すべきこと
- 逮捕された日時:いつ逮捕されたか
- 容疑(罪名):どのような疑いで逮捕されたか
- 留置場所:どこの警察署に留置されているか
- 担当者の連絡先:担当刑事の名前と電話番号
これらの情報は、弁護士に相談する際にも必要になります。メモを取りながら聞くようにしましょう。
2逮捕後の流れを知る(48時間・72時間ルール)
逮捕後は、法律で定められた厳格なタイムスケジュールに沿って手続きが進みます。この流れを理解しておくことで、いつまでに何をすべきかが明確になります。
逮捕から48時間以内
警察での取り調べ → 検察官へ送致
逮捕後、警察は48時間以内に検察官へ事件を送致(送検)しなければなりません。この間、家族は原則として面会できません。
送致から24時間以内(逮捕から72時間以内)
検察官が勾留請求を判断
検察官は24時間以内に、勾留(身柄拘束の継続)を請求するか、釈放するかを判断します。
勾留決定後
最大20日間の勾留
勾留が決定すると、原則10日間、延長されるとさらに10日間、合計最大20日間身柄を拘束されます。
勾留期間満了
起訴 or 不起訴の決定
検察官が起訴(裁判にかける)か不起訴(釈放)かを決定します。不起訴になれば前科はつきません。
時間との勝負です
逮捕から最初の72時間は、弁護士以外は面会できません。この間に弁護士が接見(面会)し、取り調べへのアドバイスや、勾留を防ぐための活動を行うことが極めて重要です。
3やるべきこと① 弁護士に連絡する
家族が逮捕されたとき、最も重要なのは「すぐに弁護士に連絡すること」です。弁護士は逮捕直後から本人と面会(接見)でき、適切なアドバイスをすることができます。
当番弁護士制度とは
逮捕された人は、1回だけ無料で弁護士を呼ぶことができる「当番弁護士制度」を利用できます。本人が警察で「当番弁護士を呼んでほしい」と言えば、弁護士会から弁護士が派遣されます。
ただし、当番弁護士はあくまで1回限りの面会であり、その後の弁護活動を継続してもらうには、別途依頼が必要です。
私選弁護士との違い
当番弁護士、私選弁護士及び国選弁護士の違い
- 当番弁護士:1回限りの無料面会。弁護士を選べない
- 私選弁護士:費用がかかるが、最初から最後まで継続して対応してもらえる。弁護士を選べる
- 国選弁護士:資力がない場合に国が費用を負担。勾留後にしか選任されない。また、国選弁護士は当日待機している弁護士の中からランダムに選任されるため、選ぶことができない。
私選弁護士に依頼する最大のメリットは、「逮捕直後から」動けることです。国選弁護士は勾留決定後にしか選任されないため、最初の72時間という重要な時間に対応できません。
また、信頼できる弁護士を選んで依頼できる点も私選弁護士の大きなメリットです。国選弁護士はランダムに選任されてしまうため、必ずしも刑事事件に精通した弁護士が選任されるとは限りません。
弁護士費用の目安
刑事事件の弁護士費用は、事件の内容や複雑さによって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- 着手金:30万円〜50万円
- 成功報酬:30万円〜(不起訴、執行猶予などの結果に応じて)
- 接見日当:1回あたり3万円〜5万円
費用は決して安くはありませんが、早期に弁護士が介入することで、不起訴や早期釈放の可能性が高まります。初回相談無料の事務所も多いので、まずは相談してみることをおすすめします。
弊所では初回のご相談は無料で対応させていただいています。ご家族だけで不安を抱えず、まずはご相談ください。
4よくある質問
逮捕された家族にすぐ会える?
逮捕直後は面会できません。勾留決定後(逮捕から約72時間後)に一般面会が可能になります。ただし弁護士であればいつでも接見(面会)ができるため、すぐに弁護士に連絡することが重要です。
逮捕されたら会社にバレる?
警察から会社に直接連絡することは通常ありません。ただし長期の身柄拘束で無断欠勤が続くと発覚する可能性が高まります。弁護士を通じて早期釈放を目指すことが重要です。また、公務員の方の場合には、全件ではありませんが、懲戒処分のための情報提供という名目で捜査機関から身柄拘束を通告されてしまう運用があるようです。このような場合でも、早期の釈放を実現することで重い処分を回避する可能性を高めることが重要です。
保釈金はいくらかかる?
保釈金の相場は150〜300万円程度ですが、事件の内容や被告人の資力によって異なります。保釈金は裁判終了後に返還されます(逃亡や証拠隠滅行為に対する制裁として没取されない限り)。
5やるべきこと② 面会(接見)に行く
家族として、逮捕された本人に会いたいと思うのは当然です。しかし、面会にはルールがあることを知っておく必要があります。
いつから面会できるか
逮捕から最初の72時間(逮捕〜勾留決定まで)は、弁護士以外は面会できません。これは法律で定められたルールです。
勾留が決定した後は、原則として家族も面会できるようになります。ただし、「接見禁止」がついている場合は、勾留後も弁護士以外の面会が禁止されます。
面会の基本ルール
面会の基本ルール
- 面会時間:平日の日中(警察署によって異なる)
- 面会回数:1日1回、15〜20分程度
- 面会場所:留置施設内のアクリル板越し
- 立会い:警察官が立ち会い、会話を記録される
面会で伝えるべきこと・聞くべきこと
【伝えるべきこと】
- 家族は味方であること、見捨てないこと
- 弁護士を依頼したこと(依頼した場合)
- 必要な差し入れがあるか確認
【聞くべきこと】
- 体調は大丈夫か
- 困っていることはないか
面会時の注意点
面会中の会話は警察官に聞かれ、記録されています。「こう言え」「あの証拠は隠せ」といった指示は絶対にしないでください。証拠隠滅や口裏合わせとみなされ、家族自身が罪に問われる可能性があります。
6やるべきこと③ 職場・学校への対応を考える
逮捕されると、最大23日間(逮捕から勾留満了まで)身柄を拘束される可能性があります。その間、仕事や学校を休まなければなりません。
職場への対応
職場には何らかの説明が必要ですが、「逮捕された」とそのまま伝えることはおすすめしません。職場への説明内容は、弁護士と相談しながら検討しましょう。
不起訴になれば前科はつかず、職場に知られずに済む可能性もあります。まずは弁護士に相談し、最適な対応を検討しましょう。
学校への対応
学生の場合、長期欠席は進学や就職に影響する可能性があります。学校への説明も、弁護士と相談しながら進めることをおすすめします。
7早期釈放のためにできること
家族としては、一刻も早く本人を釈放させたいと思うでしょう。早期釈放のためにできることをいくつか紹介します。
示談交渉
被害者がいる事件(窃盗、傷害、痴漢など)では、示談が成立すると不起訴になる可能性が大幅に高まります。示談とは、被害者に謝罪と賠償を行い、被害届の取り下げや「処罰を求めない」という意思表示をもらうことです。
示談交渉は弁護士を通じて行うのが一般的です。弁護士が間に入ることで、被害者も安心して交渉に応じてくれることが多いです。逆に、当事者間での直接の話し合いは新たなトラブルを誘発するリスクもありますので、お勧めしません。
身元引受人の準備
勾留を防ぐ、または保釈を認めてもらうためには、「身元引受人」がいることが重要です。身元引受人とは、釈放後に本人を監督し、逃亡や証拠隠滅をさせないことを約束する人です。
通常は家族(配偶者、親など)がなります。身元引受書を準備し、弁護士を通じて裁判所に提出します。
勾留への準抗告・保釈請求
弁護士ができる法的手続き
- 勾留への準抗告:勾留決定に対する不服申し立て
- 勾留取消請求:勾留の必要がなくなった場合の請求
- 保釈請求:起訴後に保釈金を納めて釈放を求める手続き
これらの手続きは弁護士でなければできません。早期釈放を目指すなら、弁護士への依頼は必須です。
8やってはいけないNG行動
家族が逮捕されたとき、焦って以下のような行動をとってしまうケースがあります。これらは絶対に避けてください。
NG行動① 証拠を隠す・処分する
本人を助けようとして、関係する書類やデータを処分するのは「証拠隠滅罪」に問われる可能性があります。絶対にやめてください。
NG行動② 被害者に直接連絡する
「謝りたい」「示談したい」と思っても、家族が直接被害者に連絡するのは逆効果です。脅迫やストーカー行為とみなされる可能性があります。示談交渉は必ず弁護士を通じて行いましょう。
NG行動③ SNSで事件について発信する
「家族が冤罪で逮捕された」などとSNSに投稿するのは危険です。捜査に支障をきたしたり、名誉毀損で訴えられたりする可能性があります。事件が解決するまでSNSでの発信は控えましょう。
NG行動④ 面会で口裏合わせをする
面会時に「こう言え」「あのことは言うな」などと指示するのは「証拠隠滅罪」の共犯になる可能性があります。面会中の会話は警察に聞かれていることを忘れないでください。
9まとめ
家族が逮捕されたときは、誰でも動揺します。しかし、冷静に、そして迅速に対応することが、本人の将来を守ることにつながります。
家族が逮捕されたらやるべきこと
- まず落ち着く:警察から逮捕日時、容疑、留置場所を確認
- 弁護士に連絡:できるだけ早く私選弁護士に相談
- 面会に行く:勾留決定後、ルールを守って面会
- 職場・学校への対応:弁護士と相談して対応を検討
- 早期釈放のための活動:示談、身元引受、保釈請求など
最も大切なのは、一刻も早く弁護士に相談することです。逮捕から72時間は特に重要な時間です。この間に弁護士が動けるかどうかで、その後の結果が大きく変わります。
当事務所では、24時間体制で逮捕された方のご家族からのご相談を受け付けています。深夜でも早朝でも、まずはお電話ください。弁護士がすぐに接見に向かいます。
参考リンク(一次情報)