30秒まとめ
- 逮捕から起訴/不起訴まで最長23日間身柄拘束される
- 48時間以内に送検、72時間以内に勾留の可否が決まる
- 弁護士による勾留請求への意見書提出が早期釈放のカギ
1逮捕から釈放までの全体像
逮捕された後は、法律で定められた厳格なタイムスケジュールに従って手続きが進みます。大きな流れは「逮捕 → 検察官送致 → 勾留 → 起訴/不起訴」です。最短で逮捕当日〜3日以内に釈放されることもあれば、最長で23日間身柄を拘束されることもあります。
逮捕(0時間)
警察による身柄拘束
犯罪の嫌疑があり、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合に逮捕されます。逮捕後は警察署の留置場に収容されます。
〜48時間
警察での取り調べ → 検察官へ送致(送検)
警察は逮捕から48時間以内に被疑者を検察官に送致しなければなりません。この間、取り調べが行われます。
送致から24時間以内(逮捕から72時間以内)
検察官が勾留請求を判断
検察官は24時間以内に、勾留(まずは10日間、最大で20日間の身柄拘束)を裁判所に請求するか、釈放するかを判断します。
勾留決定〜10日間
勾留(最初の10日間)
裁判官が勾留を認めると、最大10日間の身柄拘束が続きます。この間も取り調べが行われます。
なお、2023年の統計では勾留請求された方の96.2%がそのまま勾留されています。日本の刑事手続きにおいては、釈放に向けた活動をしなければ、逮捕された事件はそのほとんどが検察官により勾留請求され、裁判所もこれをほぼ全て認めてしまうのが実情です。
勾留延長〜10日間
勾留延長(最大さらに10日間)
「やむを得ない事由」がある場合、さらに最大10日間の勾留延長が認められることがあります。もっとも、これも何もしなければ、多くの事件で簡単かつ安易に認められてしまっているのが実情です。
勾留期間満了
起訴 or 不起訴の決定
検察官が起訴(裁判にかける)か不起訴(釈放)かを決定します。不起訴なら釈放、前科もつきません。
248時間ルール・72時間ルールとは
逮捕後の手続きには法律で厳格な時間制限があります。これが「48時間ルール」と「72時間ルール」です。
逮捕後の時間制限
- 48時間以内:警察は被疑者を検察官に送致しなければならない
- 72時間以内(送致から24時間以内):検察官は勾留請求するか釈放するかを決定
- 最大23日間:逮捕から起訴/不起訴決定までの最長期間
72時間が最も重要な時間帯
逮捕から72時間は、弁護士以外は面会(接見)できません。この間に弁護士が接見し、取り調べへのアドバイス、勾留阻止のための意見書提出、身元引受人の準備などを行うことが釈放の可能性を大きく高めます。
3逮捕の3つの種類
逮捕には以下の3種類があり、手続きが異なります。
| 種類 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 通常逮捕 | 裁判官が発付した逮捕状に基づく逮捕 | 最も一般的。逮捕状なしには逮捕できない |
| 現行犯逮捕 | 犯行中または直後に逮捕 | 逮捕状不要。一般人でも可能 |
| 緊急逮捕 | 重大犯罪で急速を要する場合の逮捕 | 逮捕後速やかに逮捕状を請求する必要がある |
4釈放されるタイミングと条件
逮捕されても、必ず23日間拘束されるわけではありません。釈放されるタイミングは複数あります。
①逮捕後〜送検前の釈放(微罪処分)
軽微な事件では、警察段階で注意のみで釈放されることがあります(微罪処分)。万引きの初犯で被害が少額の場合などが該当します。
②送検後〜勾留前の釈放
検察官が勾留の必要がないと判断した場合、または裁判官が勾留請求を却下した場合に釈放されます。弁護士が勾留の必要性がないことを主張する意見書を提出することで、釈放の可能性が高まります。
③勾留中の釈放(勾留取消・準抗告)
勾留中でも、事情の変更があれば勾留取消請求や準抗告(不服申し立て)により釈放される可能性があります。
④不起訴による釈放
検察官が不起訴処分とした場合、即座に釈放されます。示談成立は不起訴の大きな要因になります。
⑤起訴後の保釈
起訴された場合でも、裁判所に保釈請求を行い、これが認められれば保釈金を納付して釈放されます。
早期釈放のために弁護士ができること
- 勾留を阻止するための意見書の提出
- 身元引受書の準備と提出
- 示談交渉による被害者との合意
- 勾留決定に対する準抗告
- 起訴後の保釈請求
5よくある質問
勾留を避けることはできる?
弁護士が検察官に勾留請求しないよう意見書を提出し検事や裁判官と交渉・説得することで、釈放の可能性が高まります。
勾留中に面会できる回数は?
一般の方は1日1回、15〜20分程度の面会が認められるのが通常です。接見禁止がついた場合は弁護士以外の面会ができなくなります。弁護士は回数・時間の制限なく接見できます。
身柄拘束中の生活はどうなる?
留置場では食事(1日3回)が提供され、衣類や日用品は差し入れが可能です。家族から現金を差し入れて施設内で購入することもできます。弁護士に必要なものを伝えてもらいましょう。
6在宅事件(逮捕されないケース)
すべての刑事事件で逮捕されるわけではありません。逃亡や証拠隠滅のおそれがない場合は、在宅事件として身柄拘束なしで捜査が進められます。
在宅事件の場合
在宅事件では逮捕されませんが、捜査は続いており、起訴される可能性はあります。「逮捕されなかったから大丈夫」ではなく、弁護士に相談して適切に対応することが重要です。
7取り調べでの注意点
逮捕後の取り調べは、その後の処分を大きく左右します。以下の権利を理解しておきましょう。
取り調べで知っておくべき権利
- 黙秘権:内容にかかわらず、一切の発言を拒否できる
- 供述調書の訂正権:内容が違っていれば修正を求められる
- 署名押印拒否権:供述調書への署名・押印を拒否できる
- 弁護人選任権:弁護士を呼ぶことができる
供述調書への署名は慎重に
取り調べで作成される供述調書は、裁判で重要な証拠になります。内容をよく確認せずに署名・押印すると、後から覆すことが非常に困難です。少しでも事実と異なる記載があれば、必ず修正を求めましょう。署名や押印は義務ではありません。当然拒否もできますし、弁護士に相談するまで署名・押印しないという判断も可能です。
8まとめ
この記事のまとめ
- 逮捕後は48時間以内に送検、72時間以内に勾留判断
- 勾留されると最大20日間(逮捕から最大23日間)身柄拘束
- 釈放のタイミングは複数あり、弁護士の活動が釈放の可能性を高める
- 最初の72時間が最重要。弁護士以外は面会不可
- 取り調べでは黙秘権や署名拒否権を理解しておく
- 一刻も早く弁護士に相談することが最善の対応
逮捕された場合、時間との戦いになります。早期に弁護士が介入するほど、釈放・不起訴の可能性が高まります。当事務所では24時間体制で対応しておりますので、まずはお電話ください。
参考リンク(一次情報)