30秒まとめ

  • 不起訴になれば前科はつかない(前歴は残る)
  • 不起訴の種類は嫌疑なし・嫌疑不十分・起訴猶予の3つ
  • 示談成立弁護士の意見書が不起訴獲得の最大のカギ

1不起訴とは?起訴・不起訴の違い

不起訴とは、「裁判にかけない(起訴しない)」という検察官の判断のことをいいます。不起訴になれば、身柄は即座に釈放され、前科がつくことはありません

処分 内容 前科
起訴(公判請求) 裁判にかけられる 有罪判決により、「前科あり」となります
略式起訴 書面審理で罰金刑 「前科あり」となります
不起訴 裁判にかけられない 「前科なし」となります

日本の刑事裁判の有罪率は約99.9%と言われています。つまり、一度起訴されてしまうと有罪になる可能性が極めて高いため、起訴される前に不起訴を勝ち取ることが非常に重要です。

2不起訴処分の3つの種類

不起訴処分には、以下の3つの種類があります。


不起訴処分の種類

  • 嫌疑なし:犯罪を行った事実がないと判断された場合
  • 嫌疑不十分:犯罪の嫌疑はあるが、起訴するだけの証拠が不十分な場合
  • 起訴猶予:犯罪の事実は認められるが、反省、示談成立、初犯等の事情を考慮して起訴しないと判断された場合

実務上最も多いのが「起訴猶予」です。犯罪事実は認めつつも、被害者との示談が成立していること、本人が深く反省していること、初犯であることなどが評価されて不起訴となるケースです。

3不起訴になるために弁護士ができること

弁護士は、不起訴を勝ち取るために以下の活動を行います。

①示談交渉

被害者がいる事件では、示談の成立が不起訴に最も大きな影響を与えます。弁護士が被害者と交渉し、謝罪と賠償を行い、被害届の取り下げや「処罰を求めない」という宥恕(ゆうじょ)の意思表示を得ることを目指します。

②意見書の提出

検察官に対して、不起訴が相当であるとする意見書を提出します。本人の反省の程度、社会復帰の見込み、家族や職場の監督体制などを具体的に主張します。

③環境調整

再犯防止のための環境整備(家族による監督体制の構築、専門機関への通院、勤務先との調整など)を行い、その内容を検察官に報告します。

④取り調べへのアドバイス

不利な供述をしないよう、取り調べの対応方法についてアドバイスします。黙秘すべきか、素直に認めるべきかは事案によって判断が異なります。

4よくある質問

不起訴になった場合、記録は残る?

不起訴の場合「前歴」は残りますが、「前科」にはなりません。前歴は一般の方が閲覧できるものではなく、就職等で前科を問われた場合に「なし」と回答できます。

不起訴処分に不服がある場合は?

被害者側は検察審査会に審査を申し立てることができます。検察審査会が「起訴相当」と2度議決した場合、強制的に起訴されます。

起訴猶予と嫌疑不十分の違いは?

起訴猶予は「犯罪の証拠は十分だが、諸事情を考慮して起訴しない」処分です。嫌疑不十分は「犯罪の証拠が不十分で起訴できない」処分です。どちらも前科にはなりません。

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5示談が不起訴に与える影響

示談は不起訴を得るための最も有力な手段です。特に以下のような事件では、示談の成立が処分に大きく影響します。

事件の種類 示談成立時の不起訴率
痴漢(迷惑防止条例違反) 非常に高い
窃盗・万引き(初犯) 高い
傷害(軽傷) 高い
詐欺 やや高い
強制わいせつ 事案による

6不起訴になった場合の影響

不起訴処分を受けた場合、日常生活への影響は最小限に抑えられます。


不起訴の場合

  • 前科がつかない
  • 前歴は残る(捜査機関内部の記録のみ。一般には公開されない)
  • 職場への通知義務なし(職場に知られずに済む可能性が高い)
  • 資格への影響なし(前科がないため資格制限を受けない)
  • 海外渡航への影響なし(ビザ申請時に前科の申告は不要)


逮捕報道がされた場合

不起訴になっても、逮捕時に報道(新聞・ネットニュース等)がされてしまった場合は、ネット上に記録が残ることがあります。この場合、弁護士を通じて削除請求を行うことが可能です。

7不起訴処分告知書の取得方法

不起訴処分を受けた場合、正式に不起訴であることを証明する「不起訴処分告知書」を検察庁から取得することができます。この書面は、職場への説明や名誉回復のために役立つことがあります。

8まとめ


この記事のまとめ

  • 不起訴になれば前科はつかない
  • 最も多い不起訴理由は「起訴猶予」
  • 示談の成立が不起訴獲得の最大の要因
  • 弁護士は示談交渉、意見書提出、環境調整で不起訴を目指す
  • 日本の有罪率は99.9%のため、起訴前の段階での対応が極めて重要

前科を付けないためには、起訴される前に弁護士が適切に活動することが不可欠です。逮捕された、警察から呼び出しを受けたという方は、一刻も早く弁護士にご相談ください。