30秒まとめ
- 学校トラブルはいじめ・事故・体罰・不登校など多岐にわたる
- 学校には安全配慮義務があり、違反した場合は損害賠償責任を負う
- 学校が動かない場合は弁護士を通じた法的対応で解決を図れる
1学校トラブルとは
子どもの学校生活では、いじめ、事故、体罰、不登校などさまざまなトラブルが発生する可能性があります。文部科学省の調査では、いじめの認知件数は年間約76万9千件、不登校の児童生徒数は約35万4千人に上ります。学校トラブルは珍しい出来事ではなく、誰にでも起こり得ることです。
学校トラブルは子どもの心身に深刻な影響を与える問題です。学校や教育委員会に法律などにしたがった適切な対応を求めつつ、必要に応じて法的手段を講じることで、子どもの権利を守ることができます。
2学校トラブルの主な類型
| 類型 | 概要 | 関連法令 |
|---|---|---|
| いじめ | 身体的・精神的な苦痛を与える行為 | いじめ防止対策推進法・民法 |
| 学校事故 | 授業中・休み時間・部活動中の事故 | 国家賠償法・民法 |
| 体罰 | 教師による身体的・精神的暴力 | 学校教育法11条・民法 |
| 不登校 | さまざまな要因による登校困難 | 教育機会確保法 |
| 部活動事故 | 部活動中の事故・ケガ・熱中症 | 国家賠償法・安全配慮義務 |
3学校の安全配慮義務
学校は児童生徒を預かる立場として、児童生徒の心身の安全を守るため、予見できる事故や被害の発生を防ぎ、問題が起きた場合には適切に把握し、必要な対応を取ることが求められます。これを安全配慮義務といいます。この義務には、事故の防止措置、いじめの早期発見・対応、適切な施設管理なども含まれます。
学校に安全配慮義務違反が認められるケース
- いじめを把握していたのに適切な対応をしなかった
- 危険な活動の監督を怠った(顧問不在等)
- 施設や設備の安全管理が不十分だった
- 熱中症など予見可能な事故を防止しなかった
- 教師による体罰が行われた
4損害賠償請求と災害共済給付
補償の2つのルート
- 災害共済給付:日本スポーツ振興センターの制度。学校管理下の事故で医療費の4割が給付される。過失の有無に関係なく利用可能。ただし、慰謝料など支払われないものも多く、損害がすべて補填されるわけではない。
- 損害賠償請求:学校側に過失がある場合に、治療費・慰謝料・逸失利益等を請求。公立学校は設置者(市区町村等)に、私立学校は学校法人に請求
5トラブル発生時の対応手順
保護者がとるべきステップ
- STEP1:子どもの話をよく聴き、事実関係を把握する
抽象的に「嫌なことをされた」と把握するだけでなく、日時、場所、相手方、言動の内容、回数、目撃者、先生への相談の有無などを、後で確認できる形で整理します。特に、けががある事案では、どの部位に、どのような力が加わったのかまで聞き取っておくと、診断書や写真との対応関係が明確になります。 - STEP2:証拠を確保する
けがの写真、診断書、学校からの連絡、連絡帳、メール、録音、SNSやメッセージアプリの画面保存、欠席状況、通院記録などを保全します。学校とのやり取りも、できるだけメールや書面で残す方が望ましいです。 - STEP3:学校に事実確認と対応を求める
学校への連絡は重要ですが、最初の連絡の仕方で話がこじれることもあります。感情的な抗議を先行させるより、まずは、把握している事実、確認したい事項、学校に求める対応を整理し、可能であればメールや書面で伝えるのが安全です。電話だけで済ませると、後から「何を伝えたか」が曖昧になりやすいためです。 - STEP4:学校が動かない場合は教育委員会に報告する
学校側の対応が不十分である場合、公立学校であれば教育委員会、私立学校であれば学校法人本部等への申入れが必要になることがあります。もっとも、やみくもに連絡先を広げるのではなく、どの段階で、誰に何を求めるのかを整理してから動く方が有効です。 - STEP5:必要に応じて弁護士に相談し、法的対応を検討する
重いケガをしている、診断書がある、通院が続いている、不登校が続いている、重大事態調査が必要になる、学校が事実を認めない、加害者側と対立が深い、といった事案では、早めに弁護士に相談した方がよいことがあります。初動の段階で記録や連絡方法を整えておくと、その後の損害賠償請求や学校対応が進めやすくなります。
学校トラブルの詳しい解説記事
6よくある質問
学校への損害賠償請求はどうやる?
まずは、事故や被害の内容、学校側の対応、証拠の有無を整理し、法的請求が成り立つかを検討します。公立学校であれば設置者である自治体に対して国家賠償法に基づく請求が問題となり、私立学校であれば学校法人等に対して民法上の請求を検討するのが一般的です。治療費、慰謝料、後遺障害が残った場合の損害、不登校に伴う事情など、事案に応じて請求内容は変わります。弁護士に対応を依頼することも考えられます。
いじめの法的定義は?
いじめ防止対策推進法では「児童等に対して、一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為であって、対象児童等が心身の苦痛を感じているもの」と定義されています。インターネットを通じて行われるものも含まれます。
弁護士費用はどれくらいかかる?
相談料は初回無料の事務所が多いです。交渉を依頼する場合は着手金10〜30万円程度、訴訟の場合は着手金30〜50万円+成功報酬(獲得額の10〜15%程度)が相場です。弁護士費用は、相談料、着手金、報酬金の有無や金額を含め、事務所や事案の内容によって異なります。学校事故やいじめの事案では、請求額、証拠の状況、交渉で終わるのか訴訟まで想定するのかによっても変わります。費用をお見積りすることもできますので、ご相談ください。
学校トラブルでお困りの方へ
学校トラブルは、単に「学校と話せば終わる問題」とは限りません。特に、重大なけがが生じている事案、不登校が続いている事案、学校側が事実を十分に認めない事案では、初動対応の違いが、その後の解決や損害賠償請求の見通しを左右することがあります。
当事務所では、いじめ、学校事故、体罰、不登校、部活動事故などについて、証拠の整理、学校への連絡内容の検討、教育委員会等への申入れ、治療費・慰謝料等の損害賠償請求まで見据えて対応を検討します。お子さまの被害が大きい事案や、学校対応に不安がある事案では、早めのご相談をご検討ください。
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