30秒まとめ

  • まず感情的にならず事実関係を把握し、子どもの話を聞く
  • 被害者には速やかに直接謝罪し、損害賠償にも誠実に対応
  • 保護者は監督義務者として賠償責任を負う可能性がある(民法714条)

1子どもが加害者になるケースとは

子ども同士のトラブルで、自分の子どもがいじめの加害者、暴力の加害者、器物損壊の当事者などになってしまうことがあります。学校から連絡を受けた保護者は、冷静に状況を把握し、適切に対応する必要があります。


加害者となるケースの例

  • いじめ:悪口、仲間外れ、SNSでの誹謗中傷、金品の要求
  • 暴力:けんかでケガをさせた、一方的に殴った
  • 器物損壊:他の生徒の持ち物を壊した、学校の備品を壊した
  • 窃盗:友人の物を盗んだ、万引きをした
  • 性的な問題行動:のぞき、盗撮、わいせつ行為

2学校から連絡を受けたら|最初にすべきこと

①事実関係を正確に把握する

まずは感情的にならず、何が起きたのかを正確に把握することが最も重要です。


確認すべきポイント

  • いつ、どこで、何が起きたのか(日時・場所・状況)
  • 誰が関わっているのか(当事者・目撃者)
  • 被害の程度(ケガの有無、物の破損状況など)
  • 学校側がどこまで把握しているか
  • 子ども自身の言い分

②子どもの話を聞く

学校からの情報だけでなく、子ども本人からも話を聞くことが大切です。


子どもに話を聞く際の注意点

  • 頭ごなしに叱らない:子どもが本当のことを話せなくなる
  • 誘導しない:「〇〇したんでしょ」と決めつけずに聞く
  • 否定から入らない:まず子どもの気持ちを受け止める
  • 記録を残す:子どもの言い分を時系列でメモしておく

3被害者への対応

①謝罪のタイミングと方法

事実関係が確認でき、自分の子どもに非がある場合は、速やかに被害者と保護者に謝罪します。


謝罪の際のポイント

  • 直接会って謝罪するのが基本(電話やメールだけでは不十分な場合が多い)
  • 子ども自身にも謝罪させる(年齢に応じて)
  • 言い訳をしない:「うちの子にも事情が…」は逆効果(但し、正当な理由がある場合や、被害者側などに落ち度がある場合には適切に主張することが重要です。)
  • 再発防止策を伝える:「こういう対策をします」と具体的に

②損害賠償・治療費の負担

子どもが他の児童にケガをさせた場合、保護者は監督義務者として損害賠償責任を負う可能性があります(民法714条)。

損害の種類 主な内容
治療費 通院・入院にかかった費用
通院交通費 病院への交通費
慰謝料 精神的苦痛に対する賠償
物的損害 壊した物の修理費・買替費用
その他 後遺障害が残った場合の逸失利益など


個人賠償責任保険を確認しましょう

火災保険や自動車保険に付帯している「個人賠償責任保険」でカバーできる場合があります。お子さんが加害者になった場合に備えて、保険の加入状況を確認しておくことをおすすめします。

4学校との連携

①学校の対応を確認する

学校がどのような対応をとるのか、以下の点を確認しましょう。

  • 事実調査の方法と結果の共有時期
  • 懲戒処分(出席停止など)の可能性
  • 指導方針:学校としてどう指導していくか
  • スクールカウンセラー等の支援の有無

②出席停止について

いじめや暴力行為がひどい場合、学校は加害児童に対して出席停止措置をとることがあります(学校教育法35条)。出席停止は懲罰ではなく、被害児童の安全確保と加害児童の反省を促すための措置です。

5法的責任の可能性


深刻なケースでは法的責任も

  • 14歳以上の場合:刑事事件として扱われる可能性(少年法に基づく家庭裁判所送致)
  • 14歳未満の場合:刑事責任は問われないが、児童相談所への通告や、保護者の損害賠償責任は発生する
  • 保護者の責任:監督義務を怠ったとして損害賠償責任を負う(民法714条)

特に重大なケガや継続的ないじめの場合は、被害者側から高額な損害賠償請求を受ける可能性があります。早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

6よくある質問

子どもが未成年の場合、親が賠償責任を負う?

子どもに責任能力がない場合(一般的に12歳未満)、親が監督義務者として賠償責任を負います(民法714条)。責任能力がある場合でも、親の監督義務違反が認められれば賠償責任を負うことがあります。

少年事件の場合、前科はつく?

少年事件では原則として前科はつきません。家庭裁判所の審判を受けますが、刑事裁判ではないため「前科」にはなりません。ただし、逆送されて刑事裁判になった場合は前科がつく可能性があります。

学校の処分(停学・退学)に不服がある場合は?

まず学校に対して処分の理由と根拠の説明を求めてください。不当な処分の場合は、教育委員会への不服申立てや、弁護士を通じた交渉が可能です。私立学校の場合は民事訴訟も検討対象になります。

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7再発防止に向けた取り組み


家庭でできる再発防止策

  • 子どものストレスや悩みの根本原因を探る
  • スクールカウンセラーや専門家への相談を検討する
  • 日常的なコミュニケーションを増やす
  • ルールを一緒に決める(スマホの使い方、友人との接し方など)
  • 必要に応じて医療機関への相談も検討する

加害行為の背景には、子ども自身が抱える問題(家庭環境、発達特性、友人関係など)が隠れていることがあります。罰するだけでなく、根本原因に向き合うことが再発防止には不可欠です。

8まとめ


この記事のまとめ

  • 学校から連絡を受けたら感情的にならず事実を把握
  • 子どもの話を頭ごなしに否定せず聞く
  • こちらに非があることが判明したら速やかに謝罪
  • 保護者は監督義務者として損害賠償責任を負う可能性あり
  • 個人賠償責任保険の加入状況を確認する
  • 深刻なケースでは早めに弁護士に相談
  • 罰するだけでなく根本原因に向き合うことが大切

お子さんが加害者になってしまった場合、保護者としてどう対応すべきか悩むのは当然です。被害者への適切な対応から法的な問題まで、弁護士がサポートいたします。